
階段下を収納スペースやトイレにするといった活用ケースはよくあると思います。
あまり考慮されないデッドスペースが ”階段上” のスペースではないかと思います。
どういうことかというと、階段上というのは通常だと上階の天井まで空間が吹き抜けていると思いますが、この空間はデッドスペースともとれます。
(空間の余裕はそれはそれで在って良いものではありますが、敷地内の延床スペースを無駄なく使いたいと考えた場合にはデッドスペースとなります)
我が家の場合、階段登り口2段目の上部は上階のW・I・C(ウォーク・イン・クローゼット)の一部となっています。


右=2階から見た階段上スペース壁面
(階段1、2段目の天井上が2階のクローゼット)

以下が2階の平面図となりますが、階段の上り口の90°回転スペースの上が2階居室のWICの一部になっています。
※無理なく天井上スペースを使えるのが階段2段目までと思います。

スペース的には900cm×900cmの床から天井まで(通常のフロア高:240cm)の収納スペースとイコールになります。

(サイズ感的には、以下の物置スペースが階段上の空間に置けるイメージ)


右=900cm×900cmの収納の内観のイメージ
内寸だと大体750cm四方くらいのスペースになるので、人一人は余裕で通れますし、収納棚とした場合でも奥行のある棚を床から天井まで作れるスペースです。
但し、階段形状として、U字階段というか半分で折り返す形状の階段だと適用するのは難しいと思います。
ストレートの階段であれば活用できるスペースですので、これから間取りを検討する方には是非とも参考にしてもらえればと思います。
※ちなみに、天井(通常床から240cm)と”階段の踏み板面”との高さを確保するため、我が家では 以下の階段の上り口の90°回転スペースが2段とする階段寸法で設計しています。
(※折れ階段部分を階段2段目までとする)


こうすると階段1段は大体20cmチョットなので、×2段で約40cm、ベースの床面から高くなっても天井までは『240cmー40cmチョット=約200cm』の人が十分通れるスペースは残ります。
こうすることで、よほど背の高い人でなければ頭をぶつける(ぶつけそうになる圧迫感)という心配もありません。(筆者は174cmで頭がぶつかりそうな天井が低い感じは一切ありません)
【注意点】
・冷蔵庫の搬入
我が家の場合はこの階段設計で幅65cmの冷蔵庫を(何とか)2階まで搬入できました。
が、
リビングのドア幅を養生したままだと通せず、階段最上段でキルティング等の養生を外した裸の状態として何とか引っ越し屋さんに通していただきました。 (普通ならリビング窓から吊り上げすると言ってました・・汗)
(これは階段出口のリビングドアの問題なので今回の階段設計でどうこうという考慮事項ではありません)
・ソファ(幅1.8M)の搬入(大型家具)
これが考慮していなかった点で、大型の家具が[1階~2階]の階段上を[W・I・C]としたため、階段入り口で立てたソファが上につっかかってしまう(階段2段目までは上がるが3段目に上げようとすると上が天井に突っかかってしまい上げられない)が生じました。
結果、ソファは2階のバルコニーから吊り上げて搬入しました。(これには追加料金がかかりましたが・・、5千円の追加で済みました。)
・65インチTV
我が家は階段入り口で45度お尻側をふれるスペースがあったので箱のまま難なく上がりました。(成人男性二人がかりで)
ただ、階段入り口の後ろ側にスペースがない(側面が壁面)とかだとちょっと厳しいと思います。
・他、キッチンボード等の大型家具
これは階段形状に依存することでもない(2階にリビングをつくると何かと問題視しないといけない)ですが、大概は2階で組み立てられるような家具を買わないと『2階リビングに上げられない』問題は発生します。
我が家では『パモウナ』というメーカーのキッチンボードを入れましたが、メーカーからは設置場所で組み立てるタイプのものじゃないと運び入れられないと言われました。
(概ね組み立て済みで出荷されるタイプだと搬入が難しいということ)
総じて、引っ越し時の搬入代の追加数千円と、人が入れるくらいの収納スペースが増やせることを天秤にかけたら(筆者は)収納を作っておいて良かったなーと、納得しています。
(土地は高いので)少しでも建物内のスペースを余らせないで使う工夫をした方が納得感があります。家の間取りを検討される方に少しでも参考になれば幸いです。
階段に関する参考記事は以下、『暗くない階段』設計についても書いてるのでご参考になればと思います。
間取りに関してこだわった設計ポイントは以下もご覧ください。
家づくりの参考になるような記事をこれからも書けて行けたらと思っていますので宜しくお願いします^^